青汁を飲むと便が緑色になる?
青汁を飲むと便の色が緑色になって驚くことがあります。これはどうしてでしょうか。放っておいてもいいのでしょうか。青汁を飲むと便の色が緑色になる理由は植物の色素成分と関連があります。詳しくみていきましょう。
便の色は健康状態を示すバロメーター
健康状態を知るひとつのバロメーターが便の色です。健康状態が良好な人の便は黄土色です。便の色は胆汁の色で、肝臓などの健康状態を現しています。胆汁は肝細胞が作るアルカリ性の液体で胆嚢に溜まります。胆汁はやや緑がかった黄土色で、脂肪を消化する働きがあります。食事をすると十二指腸に送り込まれ、胆汁の色が便に現れます。
青汁と緑色の便
便の色が緑色になるのは胆汁の酸化、あるいは葉緑素を含むものを沢山食べた場合が考えられます。青汁は緑黄色野菜の絞り汁で葉緑素を多く含みます。青汁を飲んで便が緑色になるのは、この葉緑素が原因である可能性が考えられます。葉緑素は植物に含まれる緑の色素で、植物が光合成をする際に必要な成分です。葉緑素は水に溶けず、ほとんど体に吸収されずに体外に排出されます。
葉緑素の働き
葉緑素はクロロフィルとも呼ばれます。葉緑素はコレステロールを減少させる働きや抗酸化作用があると考えられています。また健胃、殺菌、脱臭、皮膚疾患、免疫力の向上などの効果が期待できます。
葉緑素は体に吸収こそされませんが、体内を通過する際にダイオキシンなどの有害な物質を体外に排出する働きがあります。
青汁を飲んだことが原因で緑色の便が出るのは青汁に含まれる葉緑素が関係していると考えほぼ間違いないでしょう。またこの場合、病気の心配などはありません。
胆汁の酸化で緑色の便が出る場合は?
胆汁の成分の中には濃い緑色の胆汁色素、濃い黄色のビリルビンがあり、このため胆汁は緑がかった黄土色をしています。ビリルビンは空気に触れると酸化により緑色に変色します。
暴飲暴食などにより腸の働きが弱くなると、胆汁の吸収が鈍りビリルビンが多く酸化し、緑色の便が出ることがあります。このケースはそれほど心配することはないといわれ、通常2、3日様子をみるようにします。しかし長引くようであれば医療機関を受診することが望まれます。
緑色の便で注意したい時
黄疸、溶血性貧血、腸炎などでも便が緑色になることがあります。黄疸の場合は緑の便が出る前に肌や白目の部分が黄ばむことが多いといわれています。 緑色の便が出て同時にだるい、疲れやすいなどの症状がある時は医師の診断を仰ぎましょう。
青汁は様子をみながら少しずつ飲む
青汁は緑黄色野菜が原料で、食物繊維が豊富に含まれています。そのため、一度に大量に飲むと緑色の便だけでなく下痢をすることもあります。この場合は一旦、青汁を飲むのを中止します。しばらく休むと緑色の便もなくなり下痢も良くなります。再開したい場合は、様子をみながら少量からスタートすると良いでしょう。青汁は食品ですので一度に大量に飲んだからといって、いきなり効果が高まることはないということを覚えておきましょう。
まとめ
・青汁を飲むと便が緑になるのは葉緑素が原因で病気ではない
・葉緑素は植物に含まれる色素の成分で緑黄色野菜に多く含まれる
・葉緑素はほとんど体内で吸収されない
・葉緑素はコレステロール減少、抗酸化、健胃、殺菌、脱臭、皮膚疾患、免疫力の向上、有害物質の排出などの効果が期待できる
・胆汁の酸化でも便が緑色になる
・ 黄疸、溶血性貧血、腸炎などでも便が緑色になることがある
・青汁は一度に大量に飲むと緑色の便だけでなく、下痢をすることもあるので飲む量に注意する