使う目的でプロポリスの抽出方法を選ぼう
プロポリスは抗菌殺菌作用や抗炎症作用があり、サプリメントや軟膏として幅広く利用されています。そして、さまざまな目的で利用されていると思いますが、プロポリスは抽出の違いによって成分や風味が違うことをご存知でしょうか。プロポリスの抽出方法はいくつもあり、今なお研究開発が進んでいます。この記事では抽出方法によってどんな違いがあるのかを詳しく説明しています。自分に最適なプロポリスを見つけ出す参考にしてください。
プロポリスは抽出方法によって味や成分が違う
プロポリスは抗菌殺菌作用や抗炎症作用、鎮痛作用などさまざまな効果を持つ天然成分です。しかし、1つの巣箱から採取できる量は限られていて、年間100~300グラム程度といわれています。この希少なプロポリスの成分を余すことなく少しでも多く搾りだすためにさまざまな抽出方法が開発されています。プロポリスの原塊にはさまざまな成分や不純物が含まれていて、そのままの状態では効率よく有効成分を摂取することができません。そこで、採取されたプロポリスは選別された後に乾燥されて粉砕されます。そして有効成分を採取するためにさまざまな方法で抽出されることになります。 プロポリスの有効成分を抽出する方法がいくつも研究開発された結果、同じプロポリスを使っても抽出方法によって成分や濃度は全く違うものになります。今では利用する人の目的や趣向によってさまざまな選択ができるようになりました。抽出方法の違いによってどのようなメリット・デメリットがあるのか詳しく説明していきます。
各抽出方法の特徴
アルコール抽出法
現在1番ポピュラーな抽出方法がアルコールを用いた方法で、抽出の手間が少ないうえに、抽出できる成分が多く効率的なのが特徴です。プロポリスの原塊と食用アルコールを一緒に混ぜて、2~3週間混ぜ合わせます。そして、ろ過して不純物を取った後にプロポリスとアルコールを馴染ませるために保存して熟成することで作り上げます。
プロポリスの原塊の約80%は樹脂や蜂ロウなどの油分でできているので、アルコール抽出法を採るとスムーズに主要成分であるフラボノイドやアルテピリンCなどの有効成分を溶かして抽出することができます。また、プロポリスにもありますが、アルコールは殺菌効果があるので雑菌やカビの繁殖を防ぐことができ、保存可能期間を延ばすメリットがあります。ただし、アルコール抽出はアルコールの刺激的なニオイが残って、飲みにくく感じる場合があります。
味や風味を気にしない方は、プロポリスの有効成分をしっかりと摂取でき、有害なものを含まないアルコール抽出法のものがおススメです。
・メリット
油分の多い原材料を溶かすため、手間をかけず効率的に有効成分を抽出できる。アルコールに殺菌効果があるので、賞味期限を伸ばすことができる。
・デメリット
アルコールのクセが残って、刺激や臭みがある。
水抽出法
アルコールの代わりに水を使うのが水抽出法です。アルコールを使うと刺激臭など特有のクセが残るので、それらが苦手という方に支持される抽出法です。抽出には約1ヶ月と時間を要しますが、飲みやすくできます。毎日継続的にプロポリスを飲みたいという方や初めて飲む方におススメです。また、化粧品や食品として使う場合もニオイがないので、使われる抽出方法です。主に水溶性の成分を抽出するのに採用される方法ですが、プロポリスの成分の多くはフラボノイドなどの油分なので有効成分をあまり抽出できない欠点があります。
・メリット
気になるニオイや刺激が少なく、飲みやすい。
・デメリット
プロポリスの成分の多くが油分のため、有効成分を十分に抽出できない。
ミセル化抽出法
ミセル抽出法はアルコール抽出法と水抽出法の両方のメリットを併せ持った方法です。
プロポリスをアルコールで抽出した後に、グリセリンという乳化剤を入れることで水と混ぜ合わせます。プロポリスを溶解させることで有効成分を抽出します。そうすることで油性と水溶性の両方の成分を抽出できます。プロポリスの持つ成分の多くを抽出できる方法です。また、味もクセがなく飲みやすくできることも特徴です。
一方で、食品添加物であるグリセリンを使うのが欠点で、サプリメントのような健康食品として毎日継続して摂取することに不安を覚える方には向きません。
・メリット
親油性と親水性両方の成分を抽出することができる。味がマイルドになり、飲みやすい。
・デメリット
食品添加物という不純物を使うので、添加物にこだわる人には向かない。
超臨界抽出法
二酸化炭素に圧力をかけて気体と液体の間の状態、「超臨界流体」にすることで、気体の拡散性と液体の溶解性を併せ持つ状態にしてから抽出する方法です。こうすることで低温による抽出が可能になるので有効成分の損傷を少なくできます。抗ガン作用があるジテルペンやテルペノイドなど多種多様な有効成分と豊富な栄養素を抽出できる方法です。そして、無酸素状態で抽出が行われるので、成分が酸化することなく天然の色や風味を感じることができる抽出法で、プロポリスそのものの味にこだわりを持つ方におススメできる方法です。
ただし、この方法は価格が高くなることと、科学的な抽出法であるために成分のバランスを崩す欠点があります。
・メリット
不純物を除いた上で、多くの有効成分と栄養素を抽出できる。ニオイや刺激が気にならなくなる。
・デメリット
抽出にお金がかかるため、製品化するとプロポリスの価格が高くなる。プロポリスという天然成分に科学を用いることで成分のバランスを崩すという懸念がある。
その他
醗酵法
アガリクスやマイタケ菌などを使ってプロポリスの成分を醗酵させる方法です。
まだ技術が確立されておらず研究段階です。安定供給できないので採用している企業は少ないですが、期待されている技法の1つです。
独自のもの
一般的なプロポリスの抽出方法はさまざまありますが、企業独自に開発したものもあります。例えば、超高圧を与えて抽出するものです。2000気圧という超高圧を使うことで、プロポリスをペースト状にして、さらにフリーズドライにすることで水分を取り除く方法です。プロポリスの成分を高濃度で抽出することができます。また、前項でミセル化抽出法を説明しましたが、一般的な方法ではアルコールを使っています。しかし、独自に開発された方法では、アルコールを一切使用することなく、ミセル化抽出法を行い、プロポリスの親油性と親水性の成分を同時に抽出する方法を採る企業があります。
プロポリスの最適な選び方
プロポリスは抽出方法によって成分や味に大きく違いがありますので、しっかりと特徴を調べてから製品を選ぶことが重要です。例えば、健康や美容などへの効果を優先するのか、サプリメントを続けるために飲みやすさを重視するのかで選ぶものが違ってきます。はじめに選び方で失敗をしてしまうと、飲みにくいもの、効果が期待できないものと誤った認識をしてしまう恐れがあります。抽出方法を見てプロポリスを選べば、プロポリスを満足して使うことができますので、初めて使う方は慣れるまではしっかりと抽出方法を確認するようにしてください。