イソフラボンの働きによるシワ改善の効果
イソフラボンは、多様な働きを持つ女性ホルモンのエストロゲンによく似た構造を持つため、それと同様の働きを示すことが知られています。
イソフラボンには、肌の保水力や弾力などを保つ皮膚の構成成分の生成を促す作用があるので、シワの改善にも効果が期待されています。
エストロゲンの急激な減少も肌の老化現象にかかわっているため、イソフラボンの摂取は老化の進行をゆるやかにして若々しい肌づくりに役立つのです。
この記事では、イソフラボンの働きによるシワの改善効果についてご紹介します。
シワと真皮層の関係性について
肌のシワと深くかかわる『真皮層』は表皮の下に存在し、両者は基底膜によってへだてられています。
真皮層を構成する3つの成分と1つの細胞の簡単な性質などについてご紹介します。
真皮層を構成する成分とは
真皮層を構成するのは、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸の3つの成分です。
真皮の主成分となるコラーゲンは、繊維状の構造をつくるタンパク質で、濃度が高くなるとゲル状になる性質があり、皮膚にハリや弾力を与えたり、保水したりする重要な役割を担っています。
また、真皮を構成する成分の約5%を占めるエラスチンはコラーゲンと同様にタンパク質の一種で、コラーゲン線維をつなぎ止める役割があり、細かな線維で形成され弾力性に富むことから弾力線維とも呼ばれています。
ヒアルロン酸は、1gあたり6リットルもの水分を抱え込むほどの高い保湿力を持つ成分です。
これらの成分は、加齢とともに減少していくだけでなく紫外線のダメージなどで劣化してするため肌の老化を招き、結果的にシワの形成につながってしまうのです。
真皮層の構成成分を生成する線維芽細胞
真皮層内には、上記の3つの成分を作り出す働きのある線維芽細胞が存在しています。
線維芽細胞は真皮層を構成する成分を生成するだけでなく、古くなったコラーゲンなどを分解する役割も担っており、活発に働くことで成分の新陳代謝を促し、肌にハリや弾力をもたらし若々しさを維持するために役立っています。
しかし、真皮層の構成成分と同様に加齢などの影響で働きが衰える性質があるため、成分の新陳代謝の乱れを招くことでシワの原因となってしまうのです。
シワには種類がある
肌にできるシワは、大きく『乾燥ジワ』『紫外線ジワ』『表情ジワ』の3つの分類されます。
乾燥ジワは、乾燥が原因となり肌表面がカサついてできる、ちりめん状や線状の細かなシワで、放っておくと大きなシワの形成につながります。
紫外線ジワは、紫外線を浴びて受けるダメージの蓄積によってできるシワで、肌のハリを支える真皮層でコラーゲンやエラスチンの合成量や質が低下することで大きなシワとなります。
表情の変化によって目尻や口元にできる表情ジワは、10~20代では肌のハリや弾力で押し返されて元に戻るものの、加齢や紫外線の影響で弾力が損なわれた肌ではシワの原因となってしまうのです。
シワができる原因とは?
上記のようなシワができる根本的な原因は皮膚の老化にあり、乾燥・紫外線・加齢の影響による表皮や真皮の変化が主な要因と考えられています。
前述したように、加齢によって真皮層にあるコラーゲンなどの成分の量が劣化して減ってしまうことで、肌の弾力が失われたり、保水力が低下したりして乾燥します。
肌の乾燥は気温や湿度の影響を受けることでも起こるだけでなく、それ以上に大きな外的要因は紫外線によるダメージです。
紫外線を浴びる影響といえば、多くの人が日焼けをイメージするかもしれませんが、太陽光線によりシワなどの形成を助長する『光老化』も招きます。
常に露出している顔は、紫外線を浴びにくい二の腕の内側などと比べて光老化が起きやすく、シワも目立ってしまうのです。
また、加齢に伴う女性ホルモンの分泌量の低下も皮膚の老化の要因となり、特にエストロゲンが急激に減少する更年期以降には、シワなどが突然増えたように見える場合もあります。
イソフラボンによるシワの改善効果とは?
シワができる原因の一つに女性ホルモンの低下を挙げたように、エストロゲンと真皮層を構成する成分や細胞との間には深いかかわりがあります。
エストロゲンはコラーゲンなどの真皮成分を生み出す線維芽細胞に働きかけ、それらの正常な新陳代謝や合成を促す重要な役割を担っています。
そのため、エストロゲンが安定的に分泌されていると、肌にハリや弾力を与えたり、保水力を維持したりしてシワができにくくなります。
一方でエストロゲンの分泌が減ると、真皮成分の劣化や生成量の低下を招き、皮膚の老化を助長してシワができやすくなってしまうのです。
エストロゲン様作用を示すイソフラボンは、エストロゲンと同様の働きが認められており、真皮層を構成するコラーゲンやヒアルロン酸の生成を促す作用があります。
女性はエストロゲンの急激な減少により、肌の急速な老化を経験しやすいため、イソフラボンを活用してエストロゲンの働きを補うことで、シワの形成を防いだり改善したりする効果が期待できるのです。