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イソフラボンとの相乗効果が期待できるビタミンDとは

女性ホルモンのエストロゲンに構造が似ているイソフラボンは、エストロゲン様作用を持ち骨の健康維持にも役立つ成分です。
そのイソフラボンのように、骨へのカルシウム吸収を促して丈夫な骨をつくる成分には、ビタミンDも挙げられます。
骨の形成や成長に欠かせないカルシウムの吸収に深く関わるビタミンDとイソフラボンとを合わせると、骨密度を保ち骨粗鬆症の予防など有益な効果が期待できるのです。
この記事では、イソフラボンと一緒に摂りたいビタミンDについてご紹介します。

イソフラボンと一緒に摂りたいビタミンDとは?

ビタミンDとは、骨や歯の構成成分であるカルシウムやリンなどのミネラルの吸収率を高める働きをし、骨の代謝に関わる脂溶性の成分です。
ビタミンDにはD2~D7の6種類があり、そのうちD4~D7は活性も弱く、食品にはほとんど含まれていません。
一般には、植物性食品に含まれるビタミンD2(エルゴカルシフェロール)と、動物性食品に含まれるビタミンD3(コレカルシフェロール)とを併せてビタミンDと呼び、いずれも高い生理活性を示すのが特徴です。
カルシウムの働きに関わりが深いことから、ビタミンDの化学名は『カルシフェロール』と名づけられています。
ビタミンD2とビタミンD3は、ヒトを含む哺乳動物の生体内ではほとんど同じ働きをするものの、近頃ではD3の活性の方がD2よりも2倍強いとする意見もあります。

ビタミンDと紫外線の関係性とは

ビタミンDは紫外線を浴びることで体内で合成できる成分であり、紫外線量の多くなる春から夏には血中のビタミンD濃度が上がり、少なくなる冬には下がるなど、両者は互いに関係していることが分かっています。
また、体内では『活性型ビタミンD』になって初めて作用する特徴があります。
皮膚が紫外線に当たると、皮膚に存在する7-デヒドロコレステロールを材料にプレビタミンD3が合成されたあと、肝臓・腎臓へと運ばれて活性型ビタミンDに変換されます。
紫外線照射は、人体にとってもっとも大きなビタミンDの供給源であるものの、活性型ビタミンDをつくるUV-Bは肌の表面への作用が強く、日焼けの原因となる光でもあります。
ビタミンDの合成には一日10~20分ほど紫外線を浴びることが有効とされていますが、日焼けするほどの日光浴は、むしろその合成力を低下させたり、紫外線の悪影響を受けたりと逆効果になるため注意が必要です。
一方でUV-Bは服やガラスの透過率がUV-Aより低いため、屋内で過ごすことの多い人や、日照時間の少ない地域や季節などはビタミンDが不足する可能性もあるのです。

ビタミンDの過不足の影響について

骨の健康維持に必要なビタミンDが不足すると、体内のカルシウム吸収量の低下や骨の代謝異常を招き、小児ではくる病、成人では骨軟化症という疾患を生じることが知られています。
いずれも背中や胸・足などの骨が変形して曲がったり、ひざやくるぶし・手首などの関節が肥大したりする症状が現れます。
特に閉経後の女性や高齢者のビタミンD欠乏が長期間つづいた場合は、骨密度が低下して骨粗鬆症の発症や骨折するリスクが高まるといわれています。
ビタミンD欠乏症のもっとも一般的な原因には、日光を十分に浴びないことが挙げられます。
日頃から適度な日光浴を行っていれば、めったに欠乏状態に陥る心配はありませんが、肝臓や腎臓の障害により活性型ビタミンDに変換できない場合には不足する場合もあります。
一方でビタミンDを短期・長期的に過剰摂取すると、骨からのカルシウム溶出が起こって血中のカルシウムとリン濃度が上がり、嘔吐や下痢、食欲不振や体重減少といった症状が見られます。
また、血管の内側や腎臓、筋肉へのカルシウムの沈着や組織の石灰化が見られ、動脈硬化や腎不全などの発症リスクが高まります。
食品からビタミンDを摂取する分には問題ないものの、サプリメントなどを利用する際には注意が必要です。

イソフラボンとビタミンDを一緒に摂るメリットとは

骨の中では、古い骨を溶かす『骨吸収』を行う破骨細胞と、カルシウムなどを付着させて新しい骨をつくる『骨形成』を担う骨芽細胞がバランスをとりながら作用し、骨の健康を維持しています。
しかし、加齢やホルモンバランスの乱れから骨吸収の割合が骨形成を上回ると、骨密度が減り骨がもろくなってしまうのです。
エストロゲンに似た働きを持つイソフラボンには、ホルモンバランスの変調を整える効果が期待できるうえ、エストロゲン様作用によって破骨細胞の亢進を抑えたりして骨の健康維持に貢献しています。
ビタミンDは骨の形成の促進や血中のカルシウム濃度を一定に保つ役割も担っているほか、血中カルシウムの骨への沈着を助け、その成長を促したり強度を高めたりするために作用します。
丈夫な骨を保ち骨粗鬆症の発症を防ぐには、カルシウム溶出を抑えてその吸着を助ける作用のあるイソフラボンとビタミンDを合わせて摂るのが非常に効果的なのです。

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