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イソフラボンとの相乗効果が期待できるタンパク質

女性ホルモンのエストロゲンに似た構造を持つイソフラボンには、エストロゲン様作用によって人体の組織に柔軟性を与えるコラーゲンの生成を促したり、やる気を高めたりする効果が期待できます。
そのいずれの作用にも深く関わっている栄養素がタンパク質で、イソフラボンと一緒に摂ることで相乗効果を発揮すると考えられているのです。
この記事では、イソフラボンと一緒に摂りたいタンパク質と、それによって得られる相乗効果についてご紹介します。

イソフラボンと一緒に摂りたいタンパク質とは?

タンパク質とは、生物の基本単位であるアミノ酸が遺伝子情報にしたがい、一列に並んだ鎖状につながってできた化合物です。
糖質や脂質、核酸(DNA・RNA)などと並んで生体の主要な構成成分のひとつであり、肝臓で代謝されるとグリコーゲンや脂肪に変換されて約4kcal/1gのエネルギーを産生し、人体の生命維持や活動に必要なエネルギー源として活用されます。
また、人体の臓器や筋肉、皮膚や毛髪・爪、骨や歯、腱や髄などあらゆる部分に存在しており、人体の構成成分のうち水分に次いで多い成分です。
人体の基礎をつくるうえで欠かせないタンパク質は、必要に応じて分解・再合成されながら、生命を維持するすべての働きの中心となっているのです。

タンパク質の構成や種類について

人体内に存在するタンパク質は、生合成できない9種の必須アミノ酸と、生合成できる11種の非必須アミノ酸の、合わせて20種類で構成されています。
特に体内でつくれない必須アミノ酸は食品からの摂取が必要なだけでなく、その9種のうちひとつでも不足しているとアミノ酸の機能が不十分になり、タンパク質の合成が妨げられてしまうのです。
食品から摂取するタンパク質は、肉類や魚介類などの動物性と、大豆に代表される植物性との2つに大別されます。
それぞれの食品に含まれるアミノ酸の種類や量は異なるので、動物性と植物性の両方をバランスよく摂取することが、タンパク質合成に重要となるのです。

タンパク質不足による影響とは?

人体内のあらゆる部位に存在するタンパク質は、身体の基礎をつくる材料となる役割をはじめ、神経伝達物質の構成成分となったりするなど、生命維持に多くの役割を担っています。
そのためタンパク質が不足すると、筋肉量が低下したり、肌や髪のうるおいやツヤが損なわれたりするだけでなく、やる気や集中力の低下を招いたりしてしまうのです。
以下ではイソフラボンとも関わりがある、タンパク質不足による影響を2つご紹介します。

肌や髪などのトラブルを招きやすい

タンパク質が不足すると、肌や毛髪に見た目に分かる悪影響が現れます。
皮膚は外側から表皮、真皮、皮下組織の3つに分けられており、真皮の構成成分であるコラーゲンはタンパク質でできているため、タンパク質が不足するとコラーゲンの生成量が低下してしまいます。
すると肌のハリや弾力が損なわれ、シミやたるみなど肌老化の原因につながるのです。
また、髪の毛の構成成分の90%以上を占めるのは、18種類のアミノ酸が結合してつくられている『ケラチン』というタンパク質です。
タンパク質の不足によりケラチンの生成が滞ると、髪のツヤが失われたり、細く弱々しくなったりして切れ毛になりやすくなるほか、髪の成長が遅くなり薄毛の原因ともなるのです。

集中力・やる気が低下する

やる気や集中力を高めるドーパミン、精神の安定に作用するセロトニンなどの神経伝達物質は、脳内では必須アミノ酸のフェニルアラニンやトリプトファンが主な原料となってつくられます。
そのため、タンパク質の不足はこれらの神経伝達物質の合成量を低下させ、十分に機能できない状況を招いてしまうと考えられます。
やる気が起きない、すぐに気が散ってしまうといった状態は、タンパク質の不足が神経伝達物質の正常な機能が阻害している可能性もあるのです。

イソフラボンとタンパク質を一緒に摂るメリットとは?

イソフラボンとタンパク質を一緒に摂るメリットには、イソフラボンの持つコラーゲン生成作用を高めたり、やる気を上昇させたりすることが挙げられます。
エストロゲン様作用を示すイソフラボンは、エストロゲンと同様な働きが認められており、コラーゲン生成とその合成量の維持に役立っているのです。
コラーゲンは肌だけでなく、骨や血管に柔軟性を与えるなど多様な働きを持っており、体内のさまざまな組織の中で常に新陳代謝をくり返して、自らの合成量を保つために機能します。
しかし、加齢に伴いコラーゲンの合成力は低下してしまうので、イソフラボンとタンパク質を一緒に摂ることでコラーゲンの合成作用に相乗効果が期待できるのです。
また、イソフラボンはエストロゲン様作用によって、セロトニンの分泌を安定させる働きを発揮します。
セロトニンの原料となるトリプトファンは体内で合成できない必須アミノ酸のため、食品からタンパク質を意識的に補う必要があります。
タンパク質とイソフラボンは、安定したセロトニン分泌のために、原料を提供する・される関係性にあるといえ、一緒に摂ることでスムーズなセロトニン生成に貢献しているのです。

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