イソフラボンの働きによる頭痛の改善効果とは

女性ホルモンのエストロゲンと似たような働きを示すイソフラボンは、自律神経やホルモンバランスの乱れを整えることで、自律神経の乱れが根源的な原因と考えられる頭痛の改善にも効果が期待できます。
この記事では、イソフラボンの持つ働きによる頭痛の予防や改善効果についてご紹介します。

頭痛には種類がある

一口に頭痛といっても、突然激しい痛みに襲われる急性の症状や、慢性的にズキズキ痛んだりする症状など、いくつかのタイプに分けられています。
頭痛の種類は、『機能性頭痛(一次性頭痛)』と『症候性頭痛(二次性頭痛)』との2つに大別されます。
機能性頭痛とは、慢性的な痛みがつづき、はっきりした疾患が見られないのが特徴の症状で、根本的には自律神経の乱れが原因と考えられています。
一方の症候性頭痛は、頭頸部や内臓などの疾患に伴って起こる頭痛で、原因が特定できる場合が多くあるため、すみやかに適切な治療をおこなう必要があります。
その主な疾患には骨折や頭蓋内出血などの外傷をはじめ、脳出血やクモ膜下出血、脳腫瘍などが挙げられ、場合によっては重大な後遺症が残ったりする可能性がある症状なのです。

機能性頭痛の主な症状とは

ここでは、自律神経の乱れが要因となる機能性頭痛の症状や特徴をご紹介します。
痛みを招く直接的な疾患が認められない機能性頭痛の主な症状には、
・片頭痛
・筋緊張型頭痛
・群発頭痛
の3つが挙げられます。
これらは頭の血管の収縮や拡張が痛みの引き金になったり、ストレスによって筋肉が強い緊張状態になったりすることが発症の原因とされています。
群発頭痛は発症する確率が低いため、以下では機能性頭痛の全体のほとんどを占める片頭痛と筋緊張型頭痛について見ていきます。

片頭痛

頭痛の約25％を占める片頭痛は、脳の血管が拡張することで周囲の組織を圧迫したり、神経を刺激したりすることで痛みが起こる症状です。
血管が拡張する前に、ストレスや緊張による影響で一度収縮した後、その反動により血管が膨張することが痛みの原因と考えられます。
また、男性よりも女性に起こる場合が多く、加齢に伴うエストロゲンの減少や、生理周期による女性ホルモンの変動が誘因の一つに挙げられます。
頭の片側や両側がズキズキと脈打つように痛み、光や音に過敏になったり、痛みとともに吐き気や悪心を伴ったりする場合もあります。
前兆として、脳の血流障害により目がチカチカする現象が現れたり、視野の一部が欠けたりするなどの症状が知られています。

筋緊張型頭痛

筋緊張型頭痛とは、頭痛を訴える人の約70％に見られる症状で、頭蓋骨を支える筋肉組織の緊張状態がつづいたり、首の骨がゆがんだりすることで起こります。
過度のストレスや姿勢の悪さ、長時間の同じ姿勢や目の酷使などが引き金となり、こめかみの辺りがギリギリと締めつけられるような痛みを生じ、片頭痛に比べると長くつづくのが特徴です。
また、筋肉の緊張状態が長くつづくと体内の酸素消費量が増え、酸欠状態になり必要とするエネルギーも不足します。
すると筋肉組織のエネルギー不足を解消するため、血管内で『プロスタグランジン』という血管を拡張する作用のある物質がつくられます。
プロスタグランジンによって血流が増えると、筋肉への酸素の供給量も多くなる一方で、同時に炎症を起こしてしまうため、頭痛として感じるのが筋緊張性頭痛なのです。

頭痛と自律神経の関係性について

上記のように、筋緊張型頭痛は、筋肉の緊張状態がつづくことにより周辺組織や神経を圧迫することが引き金で起こります。
ストレスなどにより自律神経のバランスが崩れて交感神経が優位になると、無意識のうちに肩周りや首・頭部の筋肉の緊張が強まり、筋緊張型頭痛を招きやすくなるのです。
また、片頭痛は交感神経の優位の状態がつづいた反作用として起こると考えられています。
交感神経が過剰に働くと、その反動で緊張が途切れたときに、今度は副交感神経が過度に優位になり、血管が大きく拡張して片頭痛が生じるのです。
いずれにしても、日頃から交感神経優位な状態に傾いていることが根本原因と考えられるため、副交感神経とのバランスをとることが重要なのです。

イソフラボンによる頭痛の改善効果

エストロゲン様作用を持つイソフラボンには、血液循環や血管の収縮・拡張を司る自律神経のバランスを整える効果が期待できます。
自律神経とエストロゲンはともに、脳の視床下部によってその機能や分泌をコントロールされているため、両者には密接なかかわりがあります。
加齢や強いストレスの影響でいずれかのバランスが乱れると、他方にもその影響が及び、正常に機能できなくなってしまうのです。
イソフラボンによりホルモンバランスが整えられると、バランスを崩した自律神経も正常な機能を取り戻し、頭痛の改善につながるのです。
なお、軽い片頭痛が起きた場合には、痛みを感じる場所を冷やして血管を収縮させ、安静にするのが第一の対処法です。
また、筋緊張型頭痛は筋肉の強い緊張が原因のため、肩や肩甲骨周りの緊張をほぐすためのストレッチや軽い運動で血行をよくすることが推奨されています。
これらの対処法に合わせてイソフラボンを活用し、頭痛の予防や改善にお役立てください。