女性に特化したイソフラボンの摂取による効能
女性ホルモン様作用を示すフラボノイドの一つのイソフラボンは、エストロゲン様作用や抗酸化作用を備えている成分です。
エストロゲンによく似た働きをするものの、その活性力はエストロゲンの1/1,000~1/10,000の強さにとどまり、おだやかに作用する特徴があります。
エストロゲンの過不足を調整する特性を持つために、女性ホルモンのバランスの乱れを整える作用に優れており、女性の健康維持や美容に貢献しているのです。
この記事では、女性に特化したイソフラボンの摂取による効能についてご紹介します。
イソフラボンの摂取が有効な女性特有の主な症状とは?
イソフラボンの持つ作用により、有益な効果が期待できる主な症状を4つご紹介します。
更年期症状の緩和
一般に閉経を挟んだ約5年ずつの10年間を更年期といい、加齢に伴う卵巣の働きの衰えによってエストロゲンが減少し、自律神経のバランスが崩れることで生じる不快な症状を更年期症状といいます。
さまざまに現れる更年期症状のなかでも、イソフラボンの摂取が有効なのはホットフラッシュと呼ばれる症状です。
ホットフラッシュは上半身、特に首から上が突然カァーッと熱くなり、のぼせのような症状が現れたり、一気に大量の汗が噴き出したりするうえ、いつ起こるか予測できないやっかいな特徴があります。
更年期世代の女性に、イソフラボンを毎日約90mg(アグリコン換算では約56mg)摂取してもらい、ホットフラッシュの発生回数を調べた研究によると、調査開始時では1日6回起きていた症状が12週間後には3.5回に減少していたとの結果報告がなされています。
ただし、イソフラボンの摂取が有効なのは、更年期症状が弱い場合とされていて、症状の程度が重い場合には改善効果が見られないのが実情です。
とはいえ更年期症状の緩和目的に用いた場合、不正出血や乳房の張り、下痢などの胃腸障害といった副作用がほとんど認められないほど安全性が高いのが、イソフラボンを活用するメリットといえます。
生理不順を整える
イソフラボンの摂取は、生理が不規則になる生理不順を整える効果も期待できます。
生理不順には個人差があり、初潮を迎えて以降その状態がつづいている場合もあれば、環境の変化で一過性に起こる場合や更年期の初期症状としても現れます。
周期的に訪れる生理は女性にとってわずらわしいものであり、規則的に起こらなければ不安を覚えるものです。
それだけでなく、規則的な生理の訪れは、ホルモンバランスの状態を含め身体の機能が正常に働いているかにつながるので、生理不順は軽視できない症状なのです。
生理不順が起こる主な原因には、過度のストレスや無理なダイエット、喫煙や寝不足などの生活習慣によるホルモンバランスの乱れが挙げられます。
卵巣機能が未発達な思春期の生理不順とは異なり、卵巣機能が発達し安定的なホルモン分泌が行われる20代以降の生理不順の根源的な原因が、ホルモンバランスの乱れといえます。
エストロゲン様作用を発揮するイソフラボンの摂取により、ホルモンバランスが整えられると生理不順の予防や改善へとつながるのです。
PMSの症状の予防や改善
PMSとは"Premenstrual Syndrome"の略称で『月経前症候群』と呼ばれる症状です。
200以上もの不快な症状が挙げられるPMSは、ホルモン分泌が安定した性成熟期に起こりやすく、生理開始の約3~10日前から現れ、生理が始まると症状が治まるのが特徴です。
PMSが起こる大きな原因は、エストロゲンとプロゲステロンのバランスが崩れることと考えられています。
プロゲステロンは本来妊娠を助けるために働くホルモンで、妊娠の維持を目的として作用し、生理前に分泌量が急増して開始後には急激に減少する性質があります。
しかし、妊娠していない場合には本来の働きが不要となり、分泌量がピークから一気に減少するという急激な変化に身体がついていけなくなる状態がPMSともいえます。
イソフラボンは、プロゲステロンの分泌量が急増する生理前にエストロゲン様作用を発揮しホルモンバランスを整えるために働くので、PMSの症状の軽減や予防が期待できます。
肌の老化を遅らせる
イソフラボンには、エストロゲンの持つコラーゲン生成作用や、ヒアルロン酸生成作用が認められています。
いずれも肌の保湿や弾力にかかわる真皮層の構成成分で、同じ真皮層内に存在する線維芽細胞によって生み出されています。
エストロゲンは真皮成分を生み出す線維芽細胞に働きかけ、その正常な新陳代謝や生成を促したり、加齢による減少を抑えたりする役割を果たしていて、皮膚萎縮やシワなど肌の老化を改善するために作用します。
そのため、エストロゲンの増減は真皮成分の生成量や質の維持に影響し、減少すると成分劣化や生成量の低下を招き、シワや乾燥など見た目に分かる皮膚の老化を招いてしまうのです。
イソフラボンの摂取は、皮膚に弾力を与えたり保水力を高めて保湿したりするコラーゲンやヒアルロン酸の生成を促し、若々しい肌づくりに役立っているのです。