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似ているようで違うエクオールとイソフラボン

大豆の胚芽に多く含まれているイソフラボンは、女性ホルモンの一つであるエストロゲンと分子構造が似ている成分です。
そのため、人体内でエストロゲンによく似た働きをすることから、主に更年期症状の予防や緩和に有効として知られていても、その効果には個人差があるのをご存じの人も多いのではないでしょうか。
イソフラボンの持つ効果を得られる人とそうでない人との違いは、摂取後のイソフラボンが「エクオール」という物質に変換されるかが重要なポイントです。
この記事では、イソフラボンに似ているようで違うエクオールについてご紹介します。

イソフラボンに似ているようで違う「エクオール」とは?

近頃では更年期対策にすぐれた物質として多くの人気を集めるエクオールは、イソフラボンと同様に、女性ホルモン様作用を持つことで知られています。
体内でエストロゲンとよく似た働きをするエクオールには、エストロゲンの分泌が過剰なときにはその作用を抑えたり、男性ホルモンのアンドロゲンの働きを抑えたりするほか、活性酸素を除去する抗酸化作用なども備わっています。
一見両者は似ているものの、実際にエクオールはイソフラボンではなく、糖が分離したアグリコン型イソフラボンの一つ「ダイゼイン」が腸内細菌によって代謝されてできる物質です。
アグリコン型イソフラボンには、ダイゼインのほかに「ゲニステイン」、「グリシテイン」の3種類の物質があり、それぞれ大豆のどの部分から抽出されたかによって占める割合が異なる特徴があります。
大豆のイソフラボンの含有量は約200mg/100gと、全体のわずか0.2%に過ぎないものの、植物の芽や根となる胚芽に多く含まれています。
ダイゼインは、大豆の胚芽から抽出されたイソフラボンの約70%を占める一方、丸大豆由来のイソフラボンでは約40%と割合が変化します。
大豆の胚芽由来のイソフラボンは、丸大豆から抽出されたものに比べてダイゼインの含有率が高いため、エクオールに変換される確率も高まると考えられているのです。

エクオールと腸内細菌の関係性とは?

前述のとおり、イソフラボンと同じような作用を持つエクオールは、アグリコン型イソフラボンの一つであるダイゼインの代謝物です。
食事から摂取したイソフラボンは腸から吸収される際に、ダイゼインの状態で吸収される人と、エクオールに変換されてから吸収される人とに分かれます。
そのため、イソフラボンを摂ってもその効果の実感に個人差が生じ、エクオールのほうがより女性ホルモン様作用が高いことが明らかにされています。
イソフラボンを摂ったあと、エクオールに代謝される人とそうでない人とに分かれる理由は、人の大腸内に、ダイゼインをエクオールに変換する腸内細菌(エクオール産生菌)が活動しているかどうかにあるためです。
これまでに10種類ほど発見されているエクオール産生菌は、すべての人の腸内に存在しているわけではなく、大豆や大豆加工食品の摂取量、腸内環境に左右されることが分かっています。
腸内にエクオール産生菌が存在していても、活動が衰えていたりするとダイゼインの代謝が不十分となり、エクオールへの変換が難しくなってしまうのです。

エクオールを作れる人の割合は?

ダイゼインをエクオールに変換できる人の割合は、研究によって若干の差があるものの、日本人では全体の約50%、欧米人では20~30%とされています。
エクオール産生菌の有無を確認する「ソイチェック」の2014年の研究データによると、エクオールを作れる人は被験者1849名中810名、全体の43%という報告があります。
現在でもこの結果とほぼ同じ比率となっており、日本人以外でエクオールを作れる人が多いのは台湾や中国など、大豆を日常的に食べる習慣のあるアジアの地域ということが明らかにされています。
また、イソフラボン研究の第一人者である米国のセッチェル(Kenneth D.R.Setchell)博士によると、アグリコン型イソフラボンの摂取量の違いが差を分けているといいます。
日本人は、ダイゼインの割合が高い、アグリコン型イソフラボンが含まれる味噌や醤油など大豆の発酵食品を摂る機会が多いため、結果的にエクオール産生菌を持つ人の割合が高いと考えられているのです。

安定してエクオールを作り出すには?

日本人は一般に、2人に1人がエクオールを作り出せるといわれているものの、若い年代になるほど産生率が低下しています。
特に10~20代の若い世代では、欧米人と同程度の20~30%のエクオール産生率に留まっているのが現状なのです。
その理由として考えられるのは食生活の変化で、年齢が若いほど大豆や大豆加工食品を食べる量が減っているうえ、腸内細菌の善玉菌のエサとなる食物繊維の摂取量も低下しています。
ダイゼインをエクオールに変換できるかは腸内細菌の活動によるため、腸内環境を整えたり改善したりする必要があります。
さらにエクオールは大豆食品を摂らなければ作られない物質なので、安定してエクオールを作り出すには、日常の食事に食物繊維や大豆発酵食品を意識的に摂り入れることが推奨されているのです。

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