イソフラボンは冷え性の改善にも効果がある?
「冷えは万病の元」といわれるように、冷え性は全身に大きな悪影響を及ぼす症状です。
単純に手足が冷えるだけでなく、頭痛や肩こり、不眠などの症状を招いたり、貧血や腎炎などの疾患に隠れて冷え性が現れたりする場合もあります。
冷え性には女性ホルモンや自律神経が深く関わっていて、これらのバランスの乱れを防ぐことが症状の予防や改善に効果的なのです。
大豆の胚芽に集中して含まれるイソフラボンには、女性ホルモンのバランスを整える作用があるため、冷え性改善にも効果が期待されています。
この記事では、イソフラボンの働きによる冷え性改善に効果についてご紹介します。
冷え性の症状とは?
冷え性とは、全身では寒さを感じないのに、手足や腰・下半身などが部分的に冷える症状で、冷えを感じる身体の部位や環境の違いによって原因や性質も異なるのが特徴です。
冷え性の具体例には、
・夏でも手足、肩・腰回りなど身体の表面の温度が下がって冷える
・手足など特定の部分が冷え、寝つきの悪さやめまいを生じる
・悪寒を催すほどの冷えを感じる
などが挙げられます。
また、お風呂から上がってすぐに手足が冷えてしまったり、いったん冷えを感じるとなかなか温まらなかったりするなども冷え性に当たります。
冷え性は、筋肉量の少ない身体のつくりになっている女性に圧倒的に多いといわれ、特に下半身の筋肉の衰えは血行を悪くするため、症状を助長するといいます。
冷え性の主な原因とは?
寒い冬場に外気温によって手や足先が冷たくなるのとは違い、身体の先端や特定の部分が慢性的に冷えている状態の冷え性は、体温調節機能がうまく働いていない現れといえます。
その主な原因には、女性ホルモンの分泌や自律神経の乱れ、極端な偏食、身体を冷やす性質の食べ物を好むことなどが挙げられます。
中でも発汗や体温調節を司る自律神経は、外部からのストレスや不規則な生活によってバランスが乱されると正常に機能しなくなり、結果的に冷え性につながります。
また、常に空調の効いた室内で過ごしていると、室内外の温度差が激しくなることでも自律神経がバランスを崩してしまい、夏でも汗をかけなかったり冷え性になったりします。
食生活も冷え性の要因の一つで、極端な偏食をつづけていたり冷たい飲み物や夏が旬の農産物などを好んで摂ったりすると、代謝が低下して冷え性になりやすくなるのです。
女性ホルモンと冷え性の関係性
上記のように、女性ホルモンの分泌の乱れも冷え性の主な原因と考えられています。
女性の体内では、生理や出産に深く関わるエストロゲンとプロゲステロンの2つの女性ホルモンが、一定の周期で分泌の増加と減少をくり返しています。
いずれも脳の視床下部でコントロールされ、女性の卵巣から分泌されており、それぞれの増加と減少のタイミングや均衡がとれなくなることをホルモンバランスの乱れといいます。
女性の身体には妊娠や出産に備えるための『性周期』があり、約28日間で月経→卵胞期→排卵→黄体期を定期的にくり返すこの時期には、女性ホルモンのバランスが乱れやすくなります。
また、ホルモンバランスが大きく変化する妊娠・出産期や閉経前後の更年期にも冷え性になる女性は多く、ホルモンが安定的に分泌されない状態が冷え性を招きやすくすると考えられるのです。
女性ホルモンの乱れが冷え性を招く理由とは?
女性ホルモンの分泌の乱れが冷え性を招く理由は、脳の視床下部がホルモン分泌のほかに自律神経の正常な機能の調整もおこなっているためです。
同じ視床下部の支配下にある両者の一方がバランスを崩すと、他方にも影響を及ぼすほど、お互いに密接な関わりがあるのです。
自律神経には体温の調節作用もあるため、女性ホルモンのバランスが乱れると正常に機能できず、体温調節がうまくいかなくなり冷え性を引き起こすと考えられています。
逆に、身体の冷えによって交感神経が刺激されて自律神経がアンバランスになり、その影響で女性ホルモンのバランスが乱れてしまう場合もあります。
なお、女性ホルモンのバランスの乱れは、冷え性を原因として、生理不順や激しい生理痛を伴う月経困難症を招く可能性さえあります。
これらは冷えによる卵巣の働きの低下によって引き起こされるため、食生活の改善や生活習慣の見直しなどをおこない、ホルモンバランスを整える工夫を心がけるのが重要です。
イソフラボンの働きによる冷え性の改善効果とは
女性ホルモンのバランスの乱れが大きな原因となって起こる冷え性は、イソフラボンを活用することで改善効果が期待できます。
エストロゲンには血管拡張作用が備わっており、手足の毛細血管の血流を増やすなどスムーズな血液循環を促しています。
イソフラボンはエストロゲンによく似た構造をしているため、エストロゲン受容体に結合して弱い女性ホルモン様作用を示し、ホルモンバランスを整えるためにも効果を発揮します。
中でも吸収率の高いアグリコン型イソフラボンの摂取が効果的ですが、過剰に摂取すると逆にホルモンバランスを乱してしまい、子宮ガンや乳ガンなどの発症リスクを高める恐れも指摘されているのです。
食品で摂る分には過剰摂取の心配はほとんどないものの、サプリメントを利用する際には規定量を守るのをおすすめします。