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イソフラボンとブラックコホシュの飲み合わせ

イソフラボンなどの植物性エストロゲンは、人の体内で女性ホルモンのエストロゲンに似た働きを示すため、更年期特有の症状の緩和や改善に効果が期待されています。
植物性エストロゲンにはイソフラボンのほか、ハーブの一つである『ブラックコホシュ』もあり、すでに欧米では更年期のホルモン補充療法の代替法としても用いられています。
その一方で、女性ホルモンの影響を受ける状況にある場合には、慎重な摂取が必要ともいわれているのです。
この記事では、エストロゲン様作用を持つイソフラボンとブラックコホシュの飲み合わせの注意点などについてご紹介します。

ブラックコホシュとは?

ブラックコホシュとは、1.5mほどの高さに育つ、北アメリカ原産のキンポウゲ科の多年草です。
古くからアメリカ先住民の医療に利用されてきたハーブであるブラックコホシュは、19世紀にはアメリカでの家庭薬として用いられ、1950年代半ばにはヨーロッパにおいて女性の健康問題を扱うハーブとして知られるようになりました。
現在では世界中で利用され、ハーブ先進国のドイツにおいては、ハーブの効能に関する公的評価委員会(コミッションE)にも安全性や信頼性が認められた実績があります。
ブラックコホシュはエストロゲンに似た働きをする植物性エストロゲンの一つであるため、ホルモンバランスを調整して更年期症状の緩和などに効果が期待されているのです。

ブラックコホシュの利用や摂取方法について

ブラックコホシュは、秋に実がなったあとに収穫した地下茎と根を、生の状態か乾燥させてからハーブティーなどに利用します。
ハーブティーとする場合には、水に浸して煎じた浸出液にして飲みますが、渋みが非常に強く苦みを感じる場合もあります。
また、ハーブや生薬をエタノールに浸した液状の製剤であるチンキ剤で利用する場合には、有効成分を生に近い状態で補えるのがメリットといえます。
非常に高濃度なものの、アメリカやヨーロッパでは一般的な摂取方法とされています。
さらに、苦みや渋みが苦手な人のため、カプセルに入ったサプリメントや乾燥抽出エキスでも販売されています。

ブラックコホシュの効能とは?

ブラックコホシュは、エストロゲンの活性と黄体刺激ホルモンの低下などに影響すると考えられており、エストロゲンの分泌量の減少が著しくなる更年期の症状対策や、PMSの症状をやわらげる効果が期待できます。
PMSとは生理の始まる約3~10日前から現れる、心身にわたる不定愁訴で、むくみや便秘、乳房の張りや痛み、腰や下腹部の痛みのほか、気分の落ち込みやイライラといった症状が見られます。
主な原因は、生理前に起こる女性ホルモンのプロゲステロンの分泌量の急増により、ホルモンバランスが崩れることと考えられています。
ブラックコホシュはエストロゲン様作用を持つため、ホルモンバランスを整えることでPMSの症状緩和に効果が期待できるのです。
また、更年期にはエストロゲン分泌が急激に減少してホルモンバランスが乱れ、その影響が自律神経系にも及びバランスを崩してしまいます。
体温調節などを司る自律神経がアンバランスになると、ホットフラッシュや大量の発汗、強い冷え、ほてりやのぼせといった血管の収縮神経と拡張神経に関わる症状や、寝つきの悪さや不眠などの症状が現れることになるのです。
ブラックコホシュは、エストロゲンの不足の影響で生じる血管運動神経系を制御すると考えられており、更年期特有の症状の改善効果も期待できます。
なお、更年期症状に対するブラックコホシュの服用量は、20~80mgを1日1回、もしくは2回となっています。

ブラックコホシュの注意点について

ブラックコホシュの摂取による副作用には、頭痛や胃の不快感、体重増加や発疹などが挙げられます。
更年期症状に関するブラックコホシュの臨床試験では、重い副作用の発現は認められていないものの、ピルの服用中やホルモン療法中には副作用を強める可能性があります。
また、妊娠・授乳中の女性にとっての安全性が明らかにされていないだけでなく、子宮収縮が起こる恐れもあるので、妊娠中の摂取は避けることが推奨されています。

イソフラボンとブラックコホシュとの飲み合わせの注意点

ブラックコホシュは、大豆に含まれるイソフラボンと同様に、エストロゲン様作用を示す成分です。
単体で摂った場合にもエストロゲンと似たような働きをするため、エストロゲンの分泌量が減少する更年期の症状対策には有効とされています。
しかし一方で、女性ホルモンの感受性が強い状態を悪化させる可能性も考えられているのです。
女性ホルモンの影響を受ける疾患には、乳ガンや子宮ガン・卵巣ガンや、子宮内膜症や子宮筋腫などが挙げられ、該当する場合には摂取を避けるよう喚起されています。
エストロゲン様作用を持つもの同士を飲み合わせることで、エストロゲンの効果の増強や減弱を招く可能性があるため、安易な併用には十分注意する必要があるのです。

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