青汁に含まれる難消化性デキストリン
商品として販売されている青汁の中に難消化性デキストリンという成分が含まれているものがあります。聞き慣れない難しそうな名前のこの成分は食品添加物のひとつです。難消化性デキストリンとは一体どんな成分なのでしょうか?
難消化性デキストリンとは?
難消化性デキストリンは現代の食生活に不足している食物繊維を補う目的で作られた人工的な食品で水溶性の食物繊維です。
難消化性デキストリンを作るためにはまずトウモロコシのデンプンを加熱して焙焼し加水分解します。その中に含まれる難消化性食物繊維の成分を取り出し調整した水溶性食物繊維を難消化性デキストリンと呼びます。
難消化性デキストリンは粘り気が少なく、無色透明に近い甘味の少ない物質で、ミネラルの吸収の邪魔にならないという特徴があります。食品添加物として青汁などの飲料、お菓子、スープ、パン、ソーセージなど多くの食品や医薬品にも利用されています。
難消化性デキストリンの安全性
難消化性デキストリンは消費者庁から特定保健用食品、トクホの認可を受けていることからもわかるように、国から安全性を保証された食品です。またアメリカの政府機関である米国食品医薬品局(FDA)は1日の摂取量の上限を定める必要がないとし安全性が確認されています。
過去に行われたヒト試験で、難消化性デキストリンを1日3回、毎食前に10グラムずつ16週間摂取しても難消化性デキストリンが原因と考えられる変化は認められませんでした。別のヒト試験では15グラムを4週間摂取しても臨床上の問題となるようなことは認められませんでした。
難消化性デキストリンの作用
難消化性デキストリンは次のような作用があります。
・食後の血糖値の上昇を抑制する
・食後の血中中性脂肪値の上昇を抑制する
・整腸作用
・内臓脂肪がつくのを低下させる
・カルシウム、鉄、亜鉛、マグネシウムなどミネラルの吸収を促進させる
青汁に難消化性デキストリンを添加するメリット
青汁に難消化性デキストリンを添加することにより、次のようなメリットが得られます。
食物繊維のバランスを整え整腸作用を高めるメリット
食物繊維には不溶性と水溶性があります。便秘にならないようにするためには不溶性と水溶性のバランスが取れていることが大切で、理想の割合は不溶性2に対し水溶性が1だといわれています。
不溶性食物繊維が多くバランスが悪いと便が固くなり腹部が膨張し、ほかの栄養素の吸収が悪くなることもあります。
青汁の原料の葉物野菜は不溶性食物繊維が多く含まれています。
難消化性デキストリンは水溶性食物繊維です。青汁に難消化性デキストリンを添加することにより、不溶性と水溶性食物繊維のバランスを整え、整腸作用を一層高めることができるメリットがあります。
コスト面でのメリット
青汁に難消化性デキストリンを添加するのは、コスト面でもメリットがあります 。完全に天然原料のみを使用するとやはり割高になりますが、難消化性デキストリンを使用すると低コストに抑えることが可能です。健康維持のため青汁を毎日飲むとなると、コストが安く抑えられている商品は、経済的に継続摂取しやすいというメリットがあります。
まとめ
難消化性デキストリンはトウモロコシのデンプンから作られた水溶性食物繊維の食品添加物で、トクホの認可を受け安全性が保証されています。
難消化性デキストリンは青汁をはじめ多くの食品や医薬品に利用されています。
血糖値や中性脂肪値を下げ、内臓脂肪がつくのを防止する働きがあり、ミネラルの吸収を高める効果があります。
青汁の原料の葉物野菜には不溶性の食物繊維が多く含まれていますが、水溶性の難消化性デキストリンを添加することにより、不溶性と水溶性の食物繊維のバランスを整え、整腸作用を一層高めます。
完全に天然原料を使用した青汁よりも、難消化性デキストリンを使った青汁の方が低価格で購入できるため、経済的に継続摂取しやすいメリットがあります。